インプラントによる治療

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インプラントによる治療とは

インプラントによる治療とは

「インプラントはどれくらい使えるものなのか」という質問をよく耳にします。一般的には10年くらいですが、患者さまによる自己管理によってそれより長くなることも、また短くなることもあります。インプラントを長く使うためにはお口の環境が良好であることが大切ですが、それを成り立たせるには噛み合わせが正しくなければなりません。もし、インプラントが入っているところが歯磨きしにくく、周囲の歯肉などに炎症が起きてしまったら、インプラントが脱落してしまう危険性があります。

なわ歯科医院では、まず噛み合わせがしっかりしているかチェックし、問題があれば咬合治療を行ないます。また、歯周病の有無も確認し、健康なお口の環境を整えてからインプラントによる治療に移ります。こうした矯正治療、歯周外科などの包括的な歯科治療の知識と技術があって、はじめてインプラントによる治療ができると考えています。

当院のインプラントによる治療について

当院のインプラントによる治療について

すべての患者さまに対してCT撮影による画像診断を行ない、より正確な骨量、骨幅を計測しています。当院のインプラントによる治療は骨の少ない患者さまであっても、できる限り増骨手術は行ないません。そのため、手術後の腫れや痛み、出血を極力抑えることができ、手術時間も1本当たり15~30分となります。ただし、難症例と思われるケースの場合、充分な診断説明後、増骨などの手術をさせていただきます。

当院では、主にノーベルバイオケア、ジンマー・バイオメット・デンタル社製インプラントを用いています。これらのインプラントは、全世界で専門医が多く使用し臨床的水準が高いほか、さまざまなパーツや先進性の高い審美的材料などが研究開発とともに進化し、ほかのメーカーをリードしていると考えています。

インプラントによる治療の
メリット・デメリット

メリット

天然歯を削らず治療できる

  • ブリッジや部分入れ歯は、残っている歯を固定源にするため天然歯を削らなければなりません。インプラントによる治療は埋め込んだ人工歯根が固定源となるので、健康な歯に負担をかけずに治療できます。

力強く噛める

  • 天然歯は歯根が骨にしっかり埋まっていることで強く噛めます。インプラントによる治療では、インプラント体が歯根の役割を果たすという天然歯に似た構造をしているので、固いものでもしっかり噛めます。

見た目が自然になる

  • 保険診療の義歯では金属部分が見えたり、色味が不自然になったりして目立ってしまいます。インプラントによる治療は人工歯の部分にセラミックなどの白く透明感のある素材を使用するので、残っている歯に溶け込んで着色の心配もほとんどありません。

デメリット

治療期間が長い

  • インプラント体を手術で埋め込んだ後、骨と結合するのを待つ期間などがあるため、治療が完了するまで6ヵ月近くかかる場合があります。また、この間も手術や経過観察などで何度か通院していただきます。

治療費が高い

  • インプラントによる治療は、原則的に自費診療となります。そのため、保険診療の義歯に比べると価格が高くなります。メリットだけでなく価格もご理解いただいたうえでご検討いただきたいと思います。

メンテナンスを受ける必要がある

  • インプラントによる治療が終わった後も、定期的にメンテナンスを受けていただきます。インプラントは口腔環境が悪いとインプラント周囲炎とよばれる症状が起きるおそれがあり、健康な状態を保つためにもメンテナンスを受けることが大切になります。

ほかの治療との違い

  • 入れ歯

    入れ歯

    入れ歯は保険診療であれば低価格で作ることができるうえ、治療期間が短くなります。また、多くの症例に対応できるというメリットもあります。一方、完全に固定できるわけではないので噛む力が弱くなるほか、固定するためのクラスプ(金具)が目立って審美的に良くありません。このクラスプをかけられた天然歯は固定源となるので、負担がかかります。金属アレルギーがある方にはご使用を避けていただく場合もあります。

  • ブリッジ

    ブリッジ

    ブリッジとは、被せ物を橋のように連結させた義歯で、失った歯の両隣にある天然歯に被せて固定します。保険診療であれば治療期間は短く、価格も低くなります。また、入れ歯に比べると強く噛めます。ただし、被せ物をする天然歯は大きく歯を削らなければなりません。また、固定源となる歯に強い負担がかかってしまいます。素材は銀歯かレジンとなるため、目立ったり着色しやすかったりします。

  • インプラントによる治療

    インプラントによる治療

    インプラント体とよばれる人工歯根を埋め込み、そこにセラミックなどの人工歯を結合させます。そのため、ほかの歯に負担をかけないという大きなメリットがあります。また、天然歯のように強く噛めるほか、セラミックを使用するのでほかの歯に色調を合わせることができて自然に見えます。ただし、自費診療となるので価格が高くなり、治療期間も6ヵ月近くかかる場合があります。

治療の流れ

  • 精密検査

    お口の状態を総合的に診るほか、血管や神経の位置など手術に必要なデータを取得します。レントゲンやCT撮影のほか、お口の中の写真撮影、歯並び、噛み合わせの確認、歯周病・虫歯の有無などについて詳しく調べます。

    精密検査
  • 口腔環境の改善

    噛み合わせが悪かったり虫歯・歯周病があったりすると、インプラントによる治療を適切に行なえないことがあります。不安要素をなくすため、矯正治療や骨再生療法などをしてインプラント体をより安全に埋め込むための準備をします。

    口腔環境の改善
  • 1次手術(インプラント埋入)

    インプラント体を顎骨に埋め込みます。顎骨に穴をあけ、インプラントを埋め込んでから縫合します。感染などが起きないよう、手術は慎重に行ないます。インプラントと顎骨が結合するまで、3~6ヵ月ほどの治癒期間を設けます。この間は仮歯を装着していただきます。

    1次手術(インプラント埋入)
  • 2次手術(歯肉形成)

    歯がないところは歯肉が粘膜のようになって抵抗力がなくなるため、歯を磨いたときに炎症を起こすなどのトラブルが発生します。そこで、インプラントの周辺に丈夫な歯肉を作るための手術を行ないます。

    2次手術(歯肉形成)
  • アバットメントの装着

    インプラントと顎骨が結合したのを確認したら、歯肉を切開してアバットメントとよばれる部品をインプラント体に装着します。アバットメントは、インプラント体と人工歯を連結する役割を果たすパーツです。この後仮歯を付けて、上部構造(人工歯)の形態などを調整していきます。このときに1~2週間の治癒期間を設けます。

    アバットメントの装着
  • 型どり、上部構造の装着

    最終的な上部構造を作るために型をとります。セラミックなどの白い素材を使用する場合は、患者さまの歯に合わせて色や質感を仕上げていきます。上部構造を装着したら、セメントやスクリューなどでしっかり固定し、治療完了となります。

    型どり、上部構造の装着
  • メンテナンス

    インプラントそのものは虫歯になりませんが、お口の中の衛生状態が悪いと歯周病に似た「インプラント周囲炎」とよばれる症状にかかるおそれがあります。これを放置するとせっかくのインプラントが抜けてしまう可能性もあるため、定期的にメンテナンスを受けていただきます。歯磨きなどでセルフケアを怠らないことも大切です。

    メンテナンス

治療後のメンテナンス

治療後のメンテナンス

インプラントによる治療は、「人工歯が取りつけられたらもう大丈夫」というわけにはいきません。たしかに、インプラント体は骨と結合し強く噛めるようにもなりますが、粘膜とは結合しにくいというウィークポイントがあります。そのため、適切に歯磨きができていないと、インプラントの周りの組織がすぐに細菌に侵されて炎症を起こしてしまいます。これをインプラント周囲炎といい、放置すると歯周病にように進行してインプラントが抜け落ちてしまいます。こうした状態になるのを避けるため、治療後も定期的にメンテナンスを受けていただきます。口腔環境を清潔に保ちながら状態をチェックすることで、インプラントをより長くお使いいただけます。

インプラントによる治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
  • 高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
  • 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
  • 手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。
    また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
  • 手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
  • 手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
  • インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
  • 毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。

CTを用いた検査にともなう一般的なリスク・副作用

  • 治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • 検査中はできるだけ顎を動かさないようにする必要があります。
  • 人体に影響しない程度(医科用CTの1/10程度)の、ごくわずかな被ばくがあります。
  • ペースメーカーを使われている方、体内に取り外せない金属類がある方、妊娠中または妊娠の可能性のある方は検査を受けられないことがあります。